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恵津子の裸(年の離れた妹)
第3章 新しい部屋
近くで予約したレンタカーを借りると、僕は恵津子と必要なだけの荷物を積み、新居に向かった。その途中、僕たちは鍵をもらうため不動産屋に寄った。

「奥さんって、言われちゃったw」
鍵をもらい車に戻ると、妹は少し照れたように僕に話しかけた。僕は妹の言葉を微笑みで返した。新居の契約時、住民票の続き柄は省略した。よって兄妹は一応、夫婦のふりをしていた。そのほうがいろいろ、問題がない筈だった。

「運転している兄ちゃん、なかなかいいよ!」
「えっちゃんが撮る方でいいの?」
「うん、今はねw」
カメラのシャッターを切りながら、妹は笑っていた。恵津子はアパートからずっと、カメラを首にかけたままだった。はしゃぐ妹を載せ、車は新居に向かっていた。

新居は車で15分ほどの場所にあった。車を止め、必要最小限の荷物をふたりで持つと、引っ越し先のアパートに入った。8畳の寝室と10畳のLDK、バストイレがセパレートの部屋は5階にあった。築年数は古いが室内はリフォームされ、僕たちには十分だった。なにより恵津子の勤務先の病院まで、バスで15分の距離だった。

「いざとなったら自転車でも行けるしね」
「うん!これで恵津子、15分はゆっくり寝れる!!」
ドアを開けて荷物を入れると、妹は布団袋の上に寝転がった。恵津子が僕のアパートに引っ越したとき、両親が持たせてくれた布団はその夜、やっと使うことができた。
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