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溶け合う煙のいざないに
第2章 答え合わせ

視線が段々と降りてくるので、濡れた陰部がびくついてしまった。
好戦的な顔を今すぐ歪めてやりたいけど、浴室のイチャイチャは絶対捨てがたいんだよなあ。
ていうか脱毛エロすぎ。
撫で回して、舐め回したい。
少しも膨らんでいないのがピリリと苛立つけど、まだこれから。
「入らないのか」
眼鏡を洗面台に置いた芦馬が、先に足を踏み入れて振り返る。
後に続く前にシャワーの音と湯気が迎えた。
爪先を温かい湯がぶつかり、ちゃぷりと足音が浴室に響く。
胸元を暖めるようにシャワーを当てている姿が、やけに若く見えて、学生時代と重なった。部室棟のシャワー室で浴びていた同級生たち。
比較にならないほど美しく見えてしまう。室内仕事で白さを保った胴体に、毛の薄い手足、存在感の濃い顎鬚に眼鏡を外した深い黒い瞳。
噛まれた耳が熱く火照って、そっと痕を撫でる。
腕は太いけどはっきり浮き出る筋肉はないし、弛んでないけど綺麗な曲線の臀部。
ああ、掴みたい。
白い煙に包まれながら、はあっと息を吐いて睨まれた。
「いつまで見てんだよ。こっち来い」
「先に頭洗っていいよ。眺めて待ってる」
「どうせ触るだろ」
見透かされているなら遠慮なく、頭にお湯をかけて目を瞑った芦馬にそっと近づく。跳ねる水の温かさを感じながら、両手を頭上に挙げて無防備な背中に手のひらを添える。
ぴく、と肩が一瞬上がったけど、抵抗はしない。
すーっと床の方に撫で下ろしていく。
柔らかい曲線でピタリと止めて、逸る気持ちを抑えながら肉感に浸る。弾力が気持ちよく、無意識に唾を飲み込んだ。
全身を押し付けるように密着して、ゆっくりと指を双丘の谷に近づける。
ガン、とシャワーを留め具にかけて、芦馬が肩越しにこちらを見た。
笑みを湛えた瞳にびくりと手を離すと、逃がさないとばかりに手首を掴まれてぐっと引き寄せられた。すかさず背中に手を回されて乱暴に抱きしめられる。
頭上から絶え間ない飛沫に、目を開けれなくなってぎゅっと閉じた。
「触っていいって、言った?」
笑っていたんじゃなかった?
恐ろしい低音に唇から言葉が消えていく。
肩に乗せられた顎がちくちくと痛い。
前かがみになった姿勢が辛いけど、この後の言葉を期待している自分もいる。
お仕置きされたい。
命令されたい。
「……洗ってやるから脚開けよ」

