この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛の時間 ○○連発
第12章 訳あり女に心の指圧

夜も更けた頃、健斗の元へ指名の連絡があった。
「出番よ、頑張って頂戴。
606号室よ。お部屋を間違わないでね。
あ、それと…」
女将は少し言いよどみ、健斗の耳もとへ顔を近づけ
「女性の一人客なの…
予約なしのタヌキさんだから訳ありかもしれないわ…
それとなく聞いてみてね」
タヌキ?
怪訝そうな顔をしていると
「夕食抜きのお客様の事よ」と仲居の房子が教えてくれた。
なるほど夕食抜きでタヌキか…
「あ、でも、なぜ夕食抜きだから
訳ありかもとなるんですか?」
「うちのような温泉旅館は温泉を楽しみたいだけの方は日帰りを利用するわ。
女性のひとり客で食事がいらないというのは訳ありが多いのよ」
なるほどね…
では、それとなく理由も聞いてみましょう。
なんだかとてつもない任務を得た気分で
意気揚々と606号室に出向いた。
「失礼いたします。マッサージ師でございます」
声をかけると部屋の中から「お待ちしてました。どうぞ」と
若い女の声がした。
てっきり熟女だとばかり思っていた健斗はびっくりした。
部屋に入ってみると、やはり20代半ばの
うら若き女性がお布団に体を横たえていた。
「この度はご指名いただき…」
そんな他愛ない挨拶を済ませ
「では早速始めさせていただきます」と浴衣姿の女性に日本手ぬぐいを掛けた。
揉み始めて気づいたのだが、
やはり若い躰はどこにもコリはなかった。
強く揉むと揉み返しがあって
施術後に痛みが出るのでなるべくソフトに揉んだ。
「ひとり旅ですか?」
頃合いを見て健斗は問いかけてみたが返事はなかった。
尻近くの大腿部に差し掛かると、女は少しずつ脚を開き始めた。

