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微熱に疼く慕情
第1章 【渇いた心】

「大智、起きて、大智…?」
翌朝、メイクもして服も着替えた
ピアス着けながらベッドに腰掛け、まだ爆睡中の大智を起こすんだけど……
相変わらず朝弱いなぁ……今までどうしてたんだろ
起こしてくれる彼女でも居たのかな
「大智、もうそろそろ起きてくれないと」
少し揺らしたらガバっと起きてくれた
寝ぼけ眼も久しぶり
「え!何時!?」
「6時半だけど」
「ん~~起きる〜〜!!」
「朝ごはん、出来てるよ」
「え!マジ!」
「簡単なのだけど、早く顔洗ってきて」
「…神」
「クスッ…大袈裟」
私はもう食べた
ご飯食べてる大智の前でヘアアイロンしている
「ちゃんと朝ごはんは摂る習慣、変わってないね」
「大智は?ちゃんと食べてるの?」
「いや、会社向かう途中で珈琲だけとか…」
「時間ギリギリまで寝てるタイプだ、変わってない…フフ」
「だからこういうの、今改めて有り難かったなって思ってる」
目が合ってすぐに逸らす
いちいち反応してられないからスルー
毛先をカールしていく
「すっぴんも可愛くて好きだけど、メイクしたらしたでめちゃくちゃ好みの顔になるね」
「大智、私、7時20分には出たいからそれまでに用意出来てなくても追い出すよ?」
「えっえっ、わかった、急ぐ」
トースト頬張ってリスみたいになってる
慌てるの知ってるから舌を火傷しないように少し温めに淹れた珈琲
私の読みは間違っていなかった
食器は私が片して、その間に着替えてもらう
アイロン要らずのスーツは有り難いね
私の準備は整っているけど「待ってね?」って靴下を立ったまま履く大智
ケンケンしててウケる
「あれ?ネクタイ何処だ?」って待たせてる私に気を取られながら焦ってる

