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蛇の檻
第9章 ――崩れゆく理性
「今夜、お前は “それ” を理解することになる。」
その言葉とともに、玄蛇は玲奈を解放するように手を離した。
玲奈は小さく息をつきながら、視線を逸らす。
だが、次の瞬間――。
「……変な薬を使ったくせに、卑怯だわ!」
玲奈は絞り出すように声を上げた。
玄蛇はわずかに目を細め、仮面の奥で冷笑する。
「卑怯?」
玲奈は奥歯を噛みしめる。
玄蛇はゆっくりと背筋を伸ばし、静かに言い放った。
「ここは私の縄張りだ。ルールは私が決める。私は何をしてもいい。」
玲奈は息を呑む。
「お前は、そのルールの中で戦うのだ。」
玲奈の指先が震えた。
「……そんなの、理不尽よ……!」
玄蛇はわずかに首を傾げ、仮面の奥から微笑む。
「それが”檻”の理だ。」
玲奈の視界が歪む。
抗う術は、どこにもなかった。
“第二夜” が始まる。

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