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禁断の果実
第2章 転校生
麦茶を持ち聡子がリビングにやって来る。
「はい、前澤くん、麦茶よ…」
「ありがとう…」
響は乾いた喉を麦茶で潤している様だった。
聡子がこう言う。
「里香は図書館に行っているわ…もう少しで戻るでしょう…」
「そ、そうなんだ…」
「里香に会いに来たんでしょう?」
「え?」
ちょっと響は落ち着かない様子でそう言ったのだ。
聡子は不思議に思っていた。
「里香に用事じゃないのかしら?」
聡子は年の頃40歳でとても綺麗な人だった。
娘の里香も聡子に似ていると響は思っていた。
「いや、今日はお母さんの聡子さんに会いたくて来たんだよ…」
それを聞くと聡子は驚いている様だった。
「私に会いに来てくれたのかしら?」
「そうだよ…」
「それは、嬉しいわ…」
聡子は嬉しそうにそう言っていた。
「俺、聡子さんの事が好きなんだけど…」
「え?」
聡子はそう言うと黙ってしまった。

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