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第13章 月末の売り上げバトル

彼女の言葉を否定するように首を振った智樹は、手をギュッと強く握った。

「お姫様だからいいんですよ。優しくて可愛くて……ライブの時とか、店で話してる時に、僕を見てくれる笑顔が最高に可愛いんですよ。」

「ほ……本当にっ？そんな風に思ってくれてたなんて……ありがとう……智樹くん……」

彼女の緊張が和らぎ、少しずつ心が溶けていくのを感じながら、智樹は頭の中で、彼女が落ちるまでの言葉を計算していく。

初めて恋に落ちていくような柔らかい表情……

俺の存在が特別な異性になっている……

次は……これだ。

わずかな時間で彼女の心が、こちらへと傾いていく様子に、静かに笑みを浮かべた智樹。

「こっちを向いて可愛い顔を見せてください……お姫様……」

「えっ……？こうかな……？」

彼女がこちらに顔を向けると、ニコッと微笑む智樹。

「可愛いですよ。お姫様……大好きです……」

「私も……智樹くんの事が大好き……」

頬を赤く染めて、うっとりとした表情を見せる彼女は、幸せそうな表情を浮かべて歩いていく。

ゲームセンターが見えてくると、智樹は人の目を気にしながらも、彼女の耳元で囁いた。

「もうすぐ到着するよ……？お姫様と僕の特別な思い出になるようなプリクラがほしいね……？」

「うん……特別な思い出……これからも智樹くんと、いっぱい作りたい……」

彼女は完全に心を奪われたように智樹を見つめ、その瞳には期待と恋の予感がはっきりと表れていた。