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何度タイムリープしても……初恋の幼馴染は誰かに純潔を奪われる
第9章 あの男が再び!!売れないホスト&AV男優ー涼ー

「……大丈夫……?智樹くん……」

震える泣き声で呼びかけるが、智樹は反応を見せない。
目は閉じたままの痛々しい智樹の姿に、心結は手を強く握り締めた。

その時、スピーカーから聞こえてきたのは、あの馴染みのある甘ったるい声だった。

「涼っ。黄色に本気になりかけてたでしょ~?男って浮気者だよね~。こんなに可愛い姫ちゃんが、尽くしてあげてるのに~っ!!」

ピンク担当の姫の声が、部屋の中に響き渡る。

隣の部屋は、控え室なのだろう。
こんなに近くで心結のまな板ショーが行われていたのだ。

ぐったりとして、目を閉じたままの智樹の口に貼り付いたガムテープを心結が外した。

呼吸を確認すると、張り詰めていた緊張が一気にほどけて、心結は小さく呟く。

「智樹くん……生きててくれて良かった……」

彼の頬にそっと手を添えると、何かが蘇るような感覚に包まれる。
それはどこか懐かしくて、少し甘酸っぱい記憶。

「やっぱり前世では、智樹くんと恋人だったのかな……?」

その言葉が、自然と口から漏れ出した。

彼に何かをしてあげたい。と思う気持ちが、まるで記憶の奥底から浮かび上がってくるかのようだった。

智樹の唇から流れる血をそっと拭いながら、心結は目を伏せた。

「私……何か変な記憶が浮かんできたんだ……」

智樹を見つめる心結の表情は、どこか懐かしそうで、どこか不安そうな雰囲気。

「こんな風に男の子を手当てしてあげたって記憶……私は女子中出身だから、絶対にそんな事ないのに……」

不思議な感覚に浸りながら、智樹の傷口に指を添え、静かに目を閉じる心結。

智樹が無事でいてくれたことが何よりも嬉しく、心がじんわりと温かくなるのを感じていた。

「またいつか会いたいな……」

微かに囁かれたその言葉は、過去と現在を結ぶ見えない糸のように、二人を繋いでいた。


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