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天狐あやかし秘譚
第36章 雪月風花(せつげつふうか)
☆☆☆
楽しかったパーティが終わる。

概ね片付けを手伝ってもらったのち、土門さん達が帰っていった。清香ちゃんとお風呂に入り、芝三郎をじゃぶじゃぶ洗う。風呂から上がると、二人は騒ぎ疲れたのか、あっという間に寝てしまった。

リビングでダリと二人。

「楽しかったね」
「ああ・・・」
「ダリは、こういうの、初めて?」
「そうだな・・・。我は・・・大方の時間、ひとりで過ごしていたからな」

そうか、ダリもあやかし。あやかしは自分の領土を持ち、そこにひとり(一匹?)でいる、と瀬良が言っていた。桔梗のように、遠目に人の里の様子を見ていたとしても、一緒に騒ぐ、などということはなかったのかな。

碧音さんとは・・・?

喉元まで出かかった言葉を慌てて飲み込む。やっぱ、まだ聞けないや。

「楽しかった?」
「・・・ああ」
騒がしいのは嫌い、とかだったらどうしようかと思ったが、表情から察するに、そういうわけではないようだった。
「主は・・・やはり」
じっと私の顔を見てくる。切れ長の目、凛々しい口元。そんな顔で見つめられたらドキドキしてしまう。それに、また、変なところで言葉を切る・・・。何?私がなんなの?
「・・・やはり?」
今日は、促してしまった。ダリにとって、私って、何?
「・・・我が・・・ずっと求めていた、者なのだと・・・」

え?

ドキン、と心臓が跳ねた。
思っていたどの言葉とも違った。
だって、ダリは私が『一緒にいて』と言ったからいたのでは?契りを結んだから、一緒にいるのでは?それが・・・

『ずっと求めていた者』

「・・・巫女だと」

え?今、なんて言ったの?
あまりにも小さい声だったのと、ちょっと違うこと考えてしまっていたことで聞き逃した。なんとかの巫女、って言っていた気がする。
ただ、それを確認することは、出来なかった。

ダリの唇が、私のそれを塞いだからだ。

「我にとっての一番のごちそうは、主じゃ・・・。宴の続き・・・食べさせて、くれるか?」
キスの後、耳元で囁いてくる。
顔が紅潮する。どっどっどと心臓の鼓動が強くなる。あわわわ・・・来ちゃうのね。

私の答え・・・それは・・・、
もちろん、イエスだった。
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