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天狐あやかし秘譚
第19章 拈華微笑(ねんげみしょう)
☆☆☆
基本、木霊は本体である樹(正確に言えば、本体を加工した柱)があるこの家から遠くに離れることは出来ないのだそうだ。

ただし、憑依をした場合は別だという。

「綾音様は憑坐(よりまし)としての訓練を受けてらっしゃらないのであまりおすすめできませんが・・・」

要は、私に憑依すれば動けるということだった。まさかダリに背負わせるわけにも行かないし、瀬良にやらせるのもおかしい。

だったら、私がやるしかない。

「一緒に行こう」
木霊に手を伸ばす。彼女が手を触れると、そこから何かが身体の中に流れ込んでくる感覚があった。それと同時に、目の前の木霊の影が薄くなる。完全に木霊が消えた時、瀬良が「憑依が完了したようです」と教えてくれた。

思いの外、うまくやれている、ということだった。

「初めての憑依のときは、通常、憑坐側がもっと混乱するものなんですが・・・綾音様はそういった才覚があるのかもしれません」

特に、身体に変化は感じない。
ただ、お腹の真ん中のあたりになにか重たいものがあるような、気はする。これが、憑依した木霊、なのだろうか?

そっとお腹に手を当ててみる。

さあ、行こう。
大丈夫、最後まで、一緒にいるから。

私はそう、念じてみた。

どこに行くのか、と瀬良に問われた。私は行くべき場所の見当はつけていた。

目指す場所、それは・・・

戦地に散った魂が眠る場所。靖国神社である。
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