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天狐あやかし秘譚
第100章 死中求活(しちゅうきゅうかつ)
「綾音様!これはあやかしの結界のせいでございます。何らかの方法で結界を破らねば朱音殿と合流することができません。」
そんな・・・結界を破るなんて、そんなこと私には・・・
「佐那姫、あなた結界をなんとかできないの!?」
「それは・・・妖力が足りのうございます」
そ、そうだった・・・そもそも佐那の妖力が足りないからこんな事になっているのだった。じゃあ一体どうしたら。
頭をフル回転させる。妖怪の術を破る、術を破る・・・えーっとえーっと・・・
陰陽寮に入ったばかりのときの研修時、瀬良がいろいろと陰陽術のことについて教えてくれたときのことを心の中でなぞっていた。多くは基礎的なもの、と言っていた。そうだ、ホシガリ様の時も、その時の知識を使ったんだった・・・今回も・・・。
瀬良が黒板に書いた『五行相剋図』。火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝って・・・水は火に勝つ。こうして五行はぐるぐると互いを封じ合う・・・そんな話。
そう、あの獣、あの感じ・・・ぬるりと纏い付く、まるで・・・まるで泥水のような・・・。
「ね、ねえ!佐那姫、この結界の主ってもしかして『水気』?」
「え?・・・ええと・・・わたしくは陰陽術に長けているわけではございませんが・・・そうですね、この大気に満ちる水の気配、月明かりが妙に赤いのも水気が満ちているからかと存じます。」
水・・・水の術ならもしかしたら・・・
『通常、術者はこの五行相剋図を参考に、相手の属性に勝てる術を用います。相手の弱点となる属性の術であれば、小さな力で大きな効果を得ることができるからです。』
瀬良が赤のチョークで【土】という文字から【水】という文字にまっすぐ伸びた矢印を強調する。
『大抵の陰気にまみれた妖怪は水属性を持っていますので、土の術式は大変効果的です』
そう、土の術式・・・土の術式なら!
私はバックパックの中に入れてあったケースを取り出す。この中には土の術式を込めた石釘が入っている。この石釘、一種の呪具なのであるが、普通のものと違うのは、これ自体にすでに呪力がこもっている点だ。呪力が内蔵されているので、私のように大した呪力がない人間であっても、ある程度の『術』を使うことができる。
そんな・・・結界を破るなんて、そんなこと私には・・・
「佐那姫、あなた結界をなんとかできないの!?」
「それは・・・妖力が足りのうございます」
そ、そうだった・・・そもそも佐那の妖力が足りないからこんな事になっているのだった。じゃあ一体どうしたら。
頭をフル回転させる。妖怪の術を破る、術を破る・・・えーっとえーっと・・・
陰陽寮に入ったばかりのときの研修時、瀬良がいろいろと陰陽術のことについて教えてくれたときのことを心の中でなぞっていた。多くは基礎的なもの、と言っていた。そうだ、ホシガリ様の時も、その時の知識を使ったんだった・・・今回も・・・。
瀬良が黒板に書いた『五行相剋図』。火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝って・・・水は火に勝つ。こうして五行はぐるぐると互いを封じ合う・・・そんな話。
そう、あの獣、あの感じ・・・ぬるりと纏い付く、まるで・・・まるで泥水のような・・・。
「ね、ねえ!佐那姫、この結界の主ってもしかして『水気』?」
「え?・・・ええと・・・わたしくは陰陽術に長けているわけではございませんが・・・そうですね、この大気に満ちる水の気配、月明かりが妙に赤いのも水気が満ちているからかと存じます。」
水・・・水の術ならもしかしたら・・・
『通常、術者はこの五行相剋図を参考に、相手の属性に勝てる術を用います。相手の弱点となる属性の術であれば、小さな力で大きな効果を得ることができるからです。』
瀬良が赤のチョークで【土】という文字から【水】という文字にまっすぐ伸びた矢印を強調する。
『大抵の陰気にまみれた妖怪は水属性を持っていますので、土の術式は大変効果的です』
そう、土の術式・・・土の術式なら!
私はバックパックの中に入れてあったケースを取り出す。この中には土の術式を込めた石釘が入っている。この石釘、一種の呪具なのであるが、普通のものと違うのは、これ自体にすでに呪力がこもっている点だ。呪力が内蔵されているので、私のように大した呪力がない人間であっても、ある程度の『術』を使うことができる。

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