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天狐あやかし秘譚
第90章 末路窮途(まつろきゅうと)
「なあ、御九里・・・」
土御門が俺の名を呼ぶのは珍しい。それにも驚き、俺は返事が遅れてしまう。
「は・・・はい・・・」
「この世界はなあ、力が全てや。力あれば認められて、出世する。家柄も何も関係ないんや。強けりゃ勝つし、弱けりゃ死ぬ。いざ死地に立てば、家も血も守っちゃくれへん・・・。わいだって、力なけりゃ死ぬだけや。」
それに、と付け加える。
「お前がもし、わいより強けりゃ、お前さんの方が出世する・・・それだけや・・・」
んじゃ行くで、そう言って、土御門は踵を返す。俺は、その後を慌てて追いかけていった。
土御門が俺の名を呼ぶのは珍しい。それにも驚き、俺は返事が遅れてしまう。
「は・・・はい・・・」
「この世界はなあ、力が全てや。力あれば認められて、出世する。家柄も何も関係ないんや。強けりゃ勝つし、弱けりゃ死ぬ。いざ死地に立てば、家も血も守っちゃくれへん・・・。わいだって、力なけりゃ死ぬだけや。」
それに、と付け加える。
「お前がもし、わいより強けりゃ、お前さんの方が出世する・・・それだけや・・・」
んじゃ行くで、そう言って、土御門は踵を返す。俺は、その後を慌てて追いかけていった。

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