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天狐あやかし秘譚
第89章 貪愛瞋憎(どんないしんぞう)
☆☆☆
「少し、酔っちゃったみたい・・・」
夜の歓楽街を歩く男女。少しネクタイを緩めたスーツ姿の男性にしなだれかかるようにセミロングヘアの女性がもたれかかるようにしている。男性は、女が倒れないように必死に支えながら歩いている。必然的に、身体を密着させざるをえない状況だった。

彼女が身に纏っていたのは、シャンパンベージュのドレスだった。身体のラインに吸い付くようにフィットし、ウエストから腰にかけて寄せられた細やかなドレープが、少し歩みを進めるたびにゆらゆらと妖しく揺れていた。
その白い腕は淡いシフォンで作らた、ふわりとした袖で覆われている。シアーな素材で少し透けているところがかえって女性の色気を際立たせるようだった。

「と、十和子さん・・・大丈夫ですか?飲みすぎたんじゃ・・・」
「う・・・ん・・・そうかも・・・」

十和子の真っ赤にルージュを引かれた唇が男の首にふれんばかりの距離にある。男はゴクリと息を呑む。その股間が少しひくりと動いたのを悟られないようにと思っていた。
飲みすぎたせいだろうか、彼女は顔を少し上げ悩ましげに息を吐く。先程まで一緒に飲んでいた甘いカクテルの匂いが、熱い吐息とともに、ふわり男の鼻腔をくすぐった。

「少し・・・公園で休んでいきますか?」
「うん・・・ごめんね・・・あっち、あっちにあるから・・・」
十和子が顔を向けた方向は、歓楽街から住宅街に向かう道だった。人通りの少ない道の先に確かに公園のようなものがある。
男が引きずるようにして十和子を担いで歩いていく。顔をうつ伏せ、力が入らない様子の十和子は足をもつれさせながらなんとか歩みを進めていた。

しかし、男は気づくことはなかった。
伏せた顔、その唇が歪んだ笑みを浮かべていることに・・・。

公園につくと、男はベンチに十和子を座らせる。少し周囲を見て、人がいないことにやや不安を覚えたが、とにかく今は水でも飲まさねばと思っていた。
「十和子さん、ここ、座っててください。俺、水買ってくるんで」
そう言って離れようとした男性のスーツの裾を十和子が掴む。
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