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あなただけ今晩は
第8章 乳頭温泉郷
そんな愉しい会話をしていると女性陣が温泉から帰り部屋に戻って来た。
文恵がこう言う。
「みんな、温泉には入りに行かないの?」
「え?だって、今俺たち飲んでるから無理だよ…」
「せっかく、温泉に来たのに、入らないなんて信じられない…」
「そんなこと言うなよ…」
潤一夫婦は文恵の方が強い様だった。
娘の琴美が“パパ”と言いながら潤一に抱き着いてくる。
その姿をアキラと私は見ていた。
やはり、子供は良いと感じていたのだ。
アキラがこう言ってくる。
「子供っていいよな…」
「そうね…」
「俺たちものんびり子供作ろうな…」
「そうね…」
「焦っても仕方がないって、彩ちゃん…」
「分かってるわ、自然に任せるわ…」
「それに、まだ結婚して1年ちょっとじゃん?」
「うん…」
「まだまだ、俺たち二人だけで遊びたいしな…」
「そうよね…」
アキラが私に気遣ってくれているのが分かった。
それは、とても嬉しい事だった。

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