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ふみふみ
第13章 子猫
「うん、周りを見たら誰もいなくてさ、捨てられてるんだと思って拾ってきた…」
「そうなの…可哀相に…」
どうも、七海ちゃんの家族はみな猫と縁があるらしい。
この真司も猫を拾ってくるのだ。
「じゃ、七海ちゃん、その子渡したから後はよろしくね…」
そう言うと真司は七海ちゃんの家の扉を開けると出て行った。
アタシはその様子を遠くから見ていたのだ。
七海ちゃんはその子猫を飼うらしい。
アタシは反対だった。
1軒の家に2匹の猫は必要ないと思っていた。
その子猫は七海ちゃんの両掌に乗るくらいの小ささだった。
ちょこんと玄関先に座っている。
その後ろ姿はネズミに大きな耳が生えている様にも見えた。
アタシが警戒したのは言うまでもなかった。
七海ちゃんはその子猫を大事そうに抱えて2階にやってきた。
そして、納戸から中くらいの大きさのケージを取り出して組み立て始める。
その中に小さなトイレ用の箱を置いてトイレチップを入れた。
そのケージを広い寝室へと運んだのだ。
アタシはリビングのソファーで眠っていたのでその子猫と顔を合わせることはなかった。
七海ちゃんはその子猫をケージに入れている。
子猫は七海ちゃんにとても懐いているように見えた。
多分、どこかの家で飼われていた子猫が捨てられたのだとアタシは思っていた。
そんな事をしているうちに、夜になり智也が仕事から帰って来た。

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