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ふみふみ
第20章 虹の橋
アタシはと言えば、綾子と同じく日に日に食欲が無くなり痩せていった。
七海ちゃんはアタシを病院には連れて行かなかった。
アタシが病院を大嫌いなのを知っていたからだ。
最後は静かにアタシの好きなところで過ごさせたいと思ってくれていたらしい。
アタシは毎日七海ちゃんの寝室のベッドの上で眠っていた。
そこのベッドは居心地が良くてアタシは大好きだったのだ。
そんなアタシの所に七海ちゃんはやって来る。
「フミぃ、具合はどお?」
そう言うとまた頭を優しく撫でてくれる。
アタシは嬉しくてゴロゴロと喉を鳴らした。
七海ちゃんはアタシがピッタリ収まるくらいの段ボールの箱を寝室に置いてくれた。
その箱の中にふかふかのタオルみたいなものを敷いてくれる。
アタシは箱があると入りたくなる習性がある。
その箱の中で眠ったのは言うまでもない。
七海ちゃんはアタシの食事とトイレを寝室に運んでくれた。
アタシはそんなに歩かなくてもご飯やトイレがちゃんとできたのだ。
ある夜の事だった。
いつもの様に箱の中で眠っていた。
モモは七海ちゃんのベッドの上で眠っている。
アタシが夜中に目を覚ますと明るい光が部屋を包んでいた。
その光の中にもっと綺麗に白く輝く丸い光を見つけた。
その白くて丸い光はアタシのところにやって来る。
アタシはそれを不思議に眺めていた。

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