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きのうの夜は
第4章 離婚
その後、私は派遣先で苗字は平井のままで仕事を続けた。
何故なら、別に上司に離婚したことを伝える義務はないように感じたからだ。
それに、苗字が変われば何かと仕事がしづらくなる。
そんな思いから派遣先では名前は平井のままにすることにした。
平井のままだと、誰も私が離婚したなんて思っていない様だった。
その平井のまま、吉村とは正式に付き合うことになったのだ。
今度は不倫ではなくて、正式にお付き合いすることになった。
でも、派遣先の人達には私たち二人の交際は隠しておいた。
吉村と私は密かに付き合い始めたのだ。
それはちょっと心臓がドキドキとしたのを覚えている。
私と吉村は週末になると会社の帰りに二人だけで飲みに出掛けた。
その後は、必ずラブホに行くのだった。
私たちの関係は誰にも気づかれていなかった。
誰も、私が離婚したとは思っていなかったのだ。
課長の池崎さえもそれに気づいていない様だった。
そんなちょっと刺激的な生活を送っていた頃だった。
季節は夏を迎えていた。
その時私のLINEが鳴ったのだ。
誰かと思い見てみると前夫の雅之からだった。
離婚した後も、LINEは消してはいなかった。
「俺、今度結婚するから…」
それを読んでちょっと驚いてしまったのだ。
離婚してからまだ半年も経ってはいなかった。

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