この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
青い果実
第9章 別れの時
トオルは着物姿の私を見ると非常に驚いている様に見えた。
「美都、今日は着物なんだね?見てビックリしたよ…」
「そう?おかしいかな?」
「そんなことないよ。とても似合ってて綺麗だよ…」
「ありがとう、嬉しいわ…」
そう言うと私たちは歩き出した。
この日は平日だったと思う。
トオルは有給を使って私に会いに来てくれたのだ。
夫の誠一は仕事で会社に行っていた。
私たちは軽くランチをしようと思っていたのだ。
「どこに食べに行く?」
「どこでも構わないわ…」
「じゃ、魚とか食べにいかない?」
「え?お魚?どこに?」
「美都と初めて飲みに行った和風居酒屋だよ…」
「でも、昼間だからまだお店はやってないんじゃない?」
「いや、ネットで調べたらランチをやってるようなんだ…」
「なら、そこに行きましょう…」
私たちは、初めて会った時に行った和風居酒屋に行った。
時間は昼時とあってちょっと混雑していた。
今日は個室ではなく、二人掛けのテーブル席へと案内された。
椅子に腰かけランチのメニューを見ていた。
魚料理を提供している店だけあってお刺身定食などがある。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


