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シュガーヒル
第3章 お持ち帰り
だが、男性が女性にお持ち帰りされる話しはこれが初めてだった。
私はその事を聞くと軽く笑ったのだ。
確かに、ヤマザキのビジュアルはかなりのものだと思っていた。
若い女性が一夜限りの関係を持ちたくなるのも頷けた。
出来れば、自分の彼氏にしたいであろう。
とも思えたのだ。
私たちはオーダーした料理を強か食べつくしていた。
二人でシェアして食べるには丁度良い量だったのだ。
店内はご婦人方の声で騒がしくなっていた。
その様子を見るとヤマザキは私にこう言ってきた。
「もう、店出ない?」
時計を見るとまだ午後1時を少し回った頃だった。
この後の予定は何も立てていない。
店を出て、スタバにでも行きお茶でもするのかと私は思っていた。
このまま、お茶をして何事もなく終わってしまうのだろうか。
そんな事を考えながら私はヤマザキにこう言った。
「いいわ。出ましょう…」
支払いはヤマザキがしてくれた。
私は彼がホテルに誘ってくれるのを待っていたのだ。
つい1週間前にネットで知り合い、今日初めて会ったこの男に私は求めていたのだ。
何と、乾ききったこの心と身体であろうか。
私たちはランドマークタワーの下りのエスカレーターに乗っていた。
その時、ヤマザキがこう言ってきたのだ。

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