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わたしの彼は 甘くて強引
第2章 再会から一年…
温泉ってやっぱり気持ちがいいわ…
友達とくるのも良いけれど
こうして一人でゆっくり浸かるだけっていうのも…
「……はぁ…」
もう一度、今度はゆっくりと深く息を吐く――
子供の時は、温泉とか銭湯とか嫌いだったのにな
だって退屈だったから。
でも今は…こういう何もない時間に浸ることができる
――大人になったと言う事ね
「…そういえば」
ここの温泉の効能ってあったかな?
んーっと……
「あ…っ、あったあった」
木の立て札にそれらしき文字が見えた。だが……
彫られた文字はなかなかに読みづらかった。
「…ん…?えーっと」
「…温泉の効能ですかな」
「…っ!…はい…――」
立て札を覗き込んだ柚子の背後から、年配の女性が声をかけた。
一瞬驚いた柚子も、その親しみのある優しい声に明るく返事をする。
彼女の他には4、5人の老婦人たち……
穏やかな笑顔を浮かべて
肩まで湯に浸かっていた。

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