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わたしの彼は 甘くて強引
第9章 紳士な意地悪は如何ですか?

「それは違いますよ」

止まった彼の手はまたすぐに動き出す。

仕上げのマヨネーズとコショウを入れて味付けに入った。




「陽子ちゃんは、あなたを選んでここに来た……。あなたの子供になりたいと思ったから、彼女は今ここにいるんです」



「……?」


「だから彼女を産んだあなたの選択は正しかった」


たとえ親に、周りに反対されてようと

授かった命を大切に守った



「後悔する必要なんかないんです」


「……」


「…でしょう?」



翔はニコリと笑みを向けた。


その優しい表現が、言葉たちが…

多恵のきり詰まった感情の糸を、緩いてほどいていく。


彼女は自然と微笑んだ。


それを確認した翔はその視線をポテトサラダに戻して、混ぜ終わったそれを少しだけ指で掬い取る。




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