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絶対に許さないからね
第7章 ひとりあそび
ええい、いつまで暑いのだ!
寒いよりは好きな季節とはいえ、
連日の猛暑日にうんざりしている。
九月に入り、さすがに毎日、
今年一番の暑さと言われることはなくなったけど、
夜になっても暑いままなのは、
そろそろ勘弁してもらいたい。
暑い暑いと毎朝銀ちゃんに文句を言うにも、
向こうのほうが暑いらしいということも面白くない。
セミがうるさい。
鬱陶しい。
静かにしてろ。
詩子は今日、母と温泉に行っている。
母は、心にやましいところがあるなら、
ひとりで行きたがるかと思ったが、
詩子が一緒に行くということを大歓迎していたらしい。
そのことでなぜか、兄に何度も礼を言われたくらいだ。
それで母への罪悪感はだいぶ薄れたけど、
代わりに、詩子が幽霊を期待してうきうきしているのが、
ちょっと申し訳なくなってきた。
今更、うそだと言うこともできず、
静観するしかない。
見れるといいね。

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