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絶対に許さないからね
第13章 墓参り
翌週、父の墓参りに行くことにした。
ひとりで行くつもりだったけど、
一応詩子に聞いてみると、行く、
というので、学校に電話して、
適当な理由を述べて休ませる旨を伝えた。
駅の近くの花屋で、お供え用の花を選ぶ。
よくわからないので店員さんに相談して、
ふさわしいのを選んでもらった。
ポニーテールとエプロンがよく似合う可愛らしい女の子だった。
「花って高いんだねー」
店を出てから、小さな声で詩子は言った。
受け取った花を抱え、
顔を埋めるようにしてにおいをかいでいる。
白と黄色と紫の花束。
花にはあまり興味がないので名前は知らない。
白と黄色のは菊っぽいけど。
墓は住宅地を少し離れたお寺の境内にある。
古いお寺だ。
小さな山門を抜け、本堂へお参りする。
詩子も生真面目な顔で両手を合わせている。
飼われているのか野良なのか、
よくわからない猫がたくさんいて、
こっちの様子を伺っていた。

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