この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
残り火
第4章 木曜日
夫とは、もう長いことセックスをしていない。
たぶん2年か、もしかしたらそれ以上。
寝室は別々だし、夫はもう私の裸に興味はないし、
私はもう夫には触れられたくない。
私に触れていいのは俊郎だけ。
私が触れたいと思うのも、俊郎だけ。
木曜日。
私は少しずつ生気を取り戻している。
あと一回だけさみしい夜をやり過ごせば、俊郎に会える。
そう思えるだけで、私の凍えきった体は解凍され、
心臓が元気に脈打つようになる。
温かい血液が手の先足の先まで行き届き、
生きている喜びに満ちてくる。
俊郎の指と舌が肌を滑っていく感じを思い出しても、
もう平気。
明日にはそれが与えられる。
明日までくらいなら我慢できる。
俊郎が私の着ているものを脱がせていくとき、
私は一枚ずつ理性まで剥かれていくのを感じる。
理性の殻をすっかりと全部剥いた私たちは、
もう全身が性器になっている。
さおりを抱いていると全身がペニスになったようだ、
と俊郎が呻いたとき、
その表現のあまりの的確さに驚き、感動さえした。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


