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僕のとなり
第6章 キス
僕らは何気ないお喋りをしながら飲んでいた。
その時間が僕にとっては物凄く嬉しく愉しい時間だと感じたのだ。
優真とこうして一緒に食事ができて、お酒が飲めることが嬉しかった。
でも、優真が一言ポツリと言ってきた言葉に僕は困ってしまう。
「彼女とはそれからどうしてる?」
言われたくない一言を言われた感じがした。
正直、真央とは3中旬に会ってからその後会ってはいなかった。
セックスの一件があってから、何となく会いづらくなっていたのだ。
「彼女とは、会ってないよ…」
「そうか、それでいいのか?」
優真は煙草をくゆらせながらそう言ってくる。
どことなく優真は25歳だと言うのにそれよりも大人に感じてしまう。
僕はその話をされるのが嫌で、余り飲めないビールを一気に飲み干した。
その後、物凄い酔いが回って来たのは言うまでもなかった。
「おい、薫、大丈夫か?そんなに飲んで…」
「う、うん、大丈夫だよ…」
「余り、無理して飲むなよな…」
「分かってるよ…」
こうして心配されると何だか嬉しくなってしまう。
真央の事を一瞬忘れる程だった。
僕はベッドに背を持たれ掛けさせながら飲んでいる優真をジッと見つめた。
酔いが回っているのが分かる。
優真が二人居てそれが二重にブレて見えてきた。

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