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私立桐邦音楽大学附属中学校
第27章 高遠美月 初めてのブラ
「お、小山田……」

小山田梨果が教室に戻ってきた。

「あれー、3人でなに話してるの?」

内藤隆俊の席を囲んでいる弘斗と高遠美月のところにやってきた。

「い、いや何でもないよ!」

急いで内藤の“バストサイズ記録ノート”を広げた机を遮る弘斗。

「胸のサイズの話してた。」

「こ、こら高遠!」

「え?胸?」

(ほらぁ!食いついちゃったじゃん……)

内藤のノートを覗き込む小山田。

「わわっ、クラスの子全員の記録?!」

「おう!」

内藤は誇らしげだ。

「えーと……私は構わないけど嫌がる子もいると思うからあまり大っぴらにしないほうがいいよ。特に奏音とか。」

「か、角山!ひえぇ……了解した……」

なぜか角山奏音を怖がる内藤。

(確かに角山を敵に回したくはないな。)

「なに?内藤くん呼んだ?」

角山奏音もやってきた。

「いえ!な、なんでもありません!」

内藤は急いでノートをバッグにしまった。

「なんで敬語?」

「じ、じゃ!俺は帰るな、じゃーなー」

内藤は逃げるように教室から出て行った。


「あのね、わたし普通のブラが欲しいの。」

「ちょ!」

(高遠おおお!!なんでこの面子の中でその話題を出すかなあ!!)

「ち、ちょっと美月!室賀がいるのに何の話?!」

(ほらほらあああ!!)

「だって室賀くんが一緒に買いに行ってくれるって言うから。」

(言ってねええええ!!)

「は?」

弘斗を睨む角山奏音。

(こええ!!)

「え?ちょっと待って。室賀くん私と帰る約束は?」

(小山田あああ!!話をややこしくしないでえええ!!)

「あ、あの、えっと、その……」

「ブラ一緒に買いに行くよね?室賀くん。」

「い、いや、それは……ちょっと……」

「私に話しがあるって言ってたよね?室賀くん。」

「あ、えっと、はい。」

「ちょっと室賀、可愛い子あちこち手を出そうとするのどうかと思うよ?」

美少女3人組に詰め寄られる弘斗。

「「「どういうこと?!」」」

(ひええええ……)
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