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私立桐邦音楽大学附属中学校
第26章 身体測定
「だから父親に頼まれたからってヌードモデルをしたの?!」

「えっ……どこでそれを……?」

「小山田の地元の自転車屋さ。」

「えっ……自転車屋さんって川瀬さん?」

「あのじいさんにも裸を見せたんだろ?」

否定してほしい。弘斗は全力でそう願った。

「そうだよ。」

その願いは空しく打ち砕かれた。願っても自転車屋から預かったスケッチブックに描かれていたヌードは小山田梨果なのだ。

「ど、どうして?」

「どうしてってどういう事?それを室賀くんが聞いてどうするの?」

「だってダメだろそんなの!!」

「……もう行くね。」

小山田梨果は身体測定が行われている教室へ向かい踵を返した。

「ちょっ!!小山田!!」

引き止めようとしたその時。

「梨果ー!まってー」

「あ、奏音。」

内科検診を終えた角山奏音が小山田を追って駆けてきた。

「か、角山……」

ノーブラで走るので角山のプルプル揺れる胸が目に飛び込む。

「あっ!む、室賀……み、見た?」

弘斗の視線で走ったことを後悔する角山奏音。

「仕方ないだろ!それはさすがに見るわ!」

「す、スケベ……」

「な、なにー!」

獣を見るような眼差しを弘斗に向けながら体操着を盛り上げた豊かな胸をバインダーで隠した。

「て、てか室賀内科検診まだでしょ?列に戻りなよ。」

「あ、ああ……」

弘斗は渋々戻ることにした。


「ねえ、梨果。あの検診の医者気持ち悪くなかった?」

「えっ!奏音あのお医者さんに何かされたの?」

「そういう訳じゃないけど胸をいやらしい目で視られてる気がして……」

「き、気のせいだよ奏音。」

「そうかなあー」

「そうだよー」

「ところで梨果は室賀と何か揉めてた?」

「えっ!いやー……」

「なになにー?」

2人は身体測定会場へ向かって行ってしまった。
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