この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の麗子さん
第8章 発覚
「麗子…!!」
背後からそれを止めようとする聡の声が響いてくる。
麗子さんは、聡を振り払うと携帯を持ち外に出た。
そして、通話のボタンをタップする。
「もしもし…領くん…」
「麗子さん…」
「領くん、今どこにいるの?」
「今、帰る途中だよ…」
「直ぐに、今から行くわ…」
「もう、いいんだ、僕は麗子さんを諦めるよ…」
「そんなことしないで…」
「だって、麗子さんは僕を愛してはいないのでしょう?」
「そんな、ことないわ…」
「僕は、麗子さんがいない世界なんて何の意味もないんだ…」
「領くん、どこにいるの?教えて…」
「僕は、もう、この世には用はないんだ…」
「そんなこと言わないで…」
「いいんだよ、麗子さん…」
「おかしなこと考えたりしていないわよね?」
「おかしなことって?」
「死んだりしないわよね?」
「死ぬ?それもいいかもね…」
僕は、死ぬのもいいかも知れないと思っていた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


