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第2章 密着した身体

カランコロン

その後も二人で談笑していると、お店のドアが開いた。

「こんなところにBARなんてあったんだな」

「久々に地元帰ってきたらめっちゃ変わっててびっくりしたわー」

若い青年らしき二人が店に入ってくる。

既にお酒が入っているようで、声のトーンがかなり大きい。

「いらっしゃいませ。そちらのテーブルへどうぞ」

片平さんは入口側の二人掛け席に案内する。

「うーっす。ってかお兄さん？めっちゃガタイいいっすね！」

「ありがとうございます…お飲み物はどうされますか？」

「あーじゃあとりあえずテキーラショット10杯！」

「おまｗまだ飲むのかよｗてかショットってｗ」

青年たちはかなり酔っているのか、終始テンションが高い。

「申し訳ありませんが、当店ではショットのご用意はございません」

「は？まじで？」

「なんだよーシラケるわ。じゃあジントニック」

「おれもー」

「かしこまりました」

オーダーを受けた片平さんはカウンターに戻り、カクテルを作り始める。

私はその姿を見ながらお酒を飲む。

「お待たせいたしました。ジントニックでございます」

「うーっす。じゃあ乾杯一気な！」

「おっけーｗ」

ガチンと強めの音が聞こえると、青年たちは出されたジントニックを一気に飲み始める。

（美味しいのに…もったいない…）

そう思ったりもしたが、飲み方は人それぞれだよなと言い聞かせ、気にしないことにした。

「お兄さん同じの！」

「かしこまりました」

片平さんはもう一度カクテルを作り始めた。

顔をチラッと覗き見すると、怒っているような悲しんでるような、心なしかそんな感情が読み取れた…気がする。