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青い欲情~男と女の色模様~
第2章 文化祭
「欠席裁判みたいで面白くもないだろうけど
こういう損な役回りはその時にいない生徒に振り当てられるのよ」
ランチボックスから卵焼きを摘まみ出して
ほら、これあげるわと
僕の弁当の上に無理やり置いた。
「そんなのイヤだよ!
僕、先生に役員を外してくれって言ってくるよ」
席を立とうとした僕の腕を美波が逃がさないとばかりに鷲掴んだ。
「明人くんが委員に選ばれたから
私は自分から立候補したのよ」
「なんで?」
「鈍感!明人くんと出来るだけ一緒に居たいからに決まってるじゃん」
照れ臭いのか美波は
一気に捲し立てると小さなおにぎりを丸ごと口に放り込んだ。
「言っておくけど…
僕、そういう役員とかには不向きだし
お前をカバーしてやれねえぞ」
「うん、いいよ。私のそばに居てくれればいいんだから、大丈夫、私一人で何でもするから」
まあ、そこまで言ってくれるんなら
別に実行委員と肩書が付くだけで
今までと何ら変わらないだろうと
渋々だけど、僕は美波とのペアで役員をすることにした。
でも、実際、なにもしなくてもいいとはいえ、
役員会があれば二人で出席しないといけないし
委員会では発言を求められるしと
思った以上に大変だった。
今からでも遅くない。
僕は先生に役員の辞退を申し出ようと思っていた。

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