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青い欲情~男と女の色模様~
第14章 それぞれのクリスマス
大森先生と二人で仲良く食事をしていると
離れた席から清美を誘った奥さまたちが恨めしそうにこちらを睨んでいた。
それに気づいた大森先生はにこやかに笑顔を振り撒き手を振って応えた。
嫉妬交じりの奥さまたちの視線に耐えられずに
清美は顔の前で両手を合わせて『ごめんなさい』と頭を下げた。
パーティのお開きにはまだ時間があったけれど
すっかり食べすぎてしまってもう充分だった。
それを察して大森先生が「次、行きましょうか?」と二人っきりのデートを提案してきた。
席を立つときに奥さまたちの方を見ると
先方もこちらを見ていて何やらヒソヒソ話をしていた。
清美は、いたたまれなくなって、もう一度、彼女たちに向かって深々と頭を下げて詫びた。
「私たち…奥さまたちの噂になるかもしれない…」
「そんなことないでしょ」
タクシーに乗り込みながら大森先生は考えすぎですよと軽く流した。
『この人、知らないんだわ…
女の嫉妬って怖いんだから…』
年が明けたら最初のヨガ教室に行くときに
菓子折りでも持っていって皆に謝らなきゃと清美はため息をついた。
「ん?どうしたの?ため息なんかついちゃって」
清美の心も知らずに大森先生は呑気そうにそう言った。
「僕と遊びに行くのがイヤ?」
「ううん、そんなことない」
そう、皆に嫉妬されてもいい。
今は彼との時間を楽しまなきゃと
清美は彼にもたれ掛かって甘えた。

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