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~疼き~
第2章 追憶
女にはとてもモテたのだ。
「そうなの?じゃ、岩崎さんてまだ31歳なの?」
夏海はそれを聞いて非常に驚いている様だった。
これが初めてではなかった。
夏海も良く年齢を間違われていたのだ。
どう見ても実年齢よりも幼く見える。
二人はこの事がきっかけで意気投合した。
「趣味はなんなの?」
「俺の趣味?酒とテレビゲームと映画だけど?」
「酒と映画は同じね。ゲームだけが違うかな?」
「そうなのか?偶然だなぁ…」
蒼はそれを聞くととても嬉しそうに笑って見せる。
こうして二人は知り合ったのだ。
その後、同棲するまでそんなに時間は掛からなかった。
毎週末になると、二人は揃ってこの店に顔を出すようになっていた。
3か月も付き合ううちに自然と二人は一緒に暮らしたいと思うようになっていった。
同じ月の生まれだからだろうか。
夏海の誕生日は7月10日だった。
蒼の誕生日も7月17日だったのだ。
4年と7日しか違わなかった。
これを、偶然だと言えるだろうか。
必然的に出会ったとしか思えなかった。
これを、運命だと言うのだろうか。
運命とは実に摩訶不思議だと夏海は思っていた。
小さな店は騒々しい程の人でカウンター席は直ぐに満席になってしまった。

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