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第5章 聖子　42歳

その夜、剃毛が中途半端に終わってしまったことを夫に告げた。

「剃毛？パイパンにするってこと？」

飲んでいるビールを吹き出しそうになりながら
夫は怪訝そうな顔をした。

「なんでまたアソコの毛を剃るんだよ
誰かに見せるとでもいうのか？」

「ううん、そんなんじゃないわ…
ほら、髪の毛だってカットしてイメチェンするじゃない。それと一緒でアソコもイメチェンしてあなたに可愛がってもらいたいのよ」

「やだよ！もう俺たち40代だぜ
そんな事をして楽しむなんて20代前半の若い子がするもんだろ！」

「いやよ！こんな中途半端で終わりたくないのよ！」

私はショーツを降ろして夫に股間を見せた。

「なんだよそれ！まるでサボテンじゃないか！
いいか、生えそろうまで銭湯とかにいくんじゃないぞ、笑われるのがオチだからな」

あ～、気持ち悪いもんを見ちまった！
夫は私を罵倒して、さっさと寝室に引っ込んでしまいました。

『何よ！自分の女房でしょ！
少しは可愛がってあげようという気はないの？』

私は、むしゃくしゃしながら女性週刊誌のページを開いた。
スキャンダルというか、芸能人夫婦のことを
面白おかしく書き連ねている。
私の目に『不倫』という文字が飛び込んでくる。