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おとなの女性の為のえっちな恋愛カタログ
第5章 カタログ NO 4 とあるカップルの週末

海風で乱れる髪を
石黒が適当に手櫛で
ぐしゃぐしゃと戻すが
その仕草にも 彼らしさと
何とも言えない色気を感じてしまって
「あん?どした?ゆりか」
「何でもない、
ちょっと、おトイレ行って来る」
実際行きたかったけど
何か恥ずかしくなってしまって
ゆりかがトイレを指差して
そのまま そそくさと向かってしまって
ぽつんとその場に残される
まぁ 自分の行っておくかと
男性用のトイレに向かって
戻ると
ゆりかの姿を探す
すると 少し離れた所で
2人組の男性と話をしている
ゆりかの姿を見つけて
随分と親しそうに話していたから
知り合いか何かなのかと
「待ったか?ゆりか。
そっち、お前の知り合いか?」
俺の顔を見て
その2人連れがヒソヒソと
何かを相談してそそくさと
逃げる様に行ってしまって
バイバーイとゆりかが
その2人の背中に手を振って居たから
「あの今の、ふたり知り合いか?」
「うーん、知らない人。
晩ご飯奢ってくれるって、言ってた」
ちゃっかり
ナンパされてんじゃねぇかよ
「んで、何、アイツ等と
話してたんだよ?」
「今は、彼氏さんと一緒だから
行きませんって言っただけだよ?
それにご飯はさっきフレンチの
フルコースを食べましたって言ったら、
ご飯ダメだったら、一緒に遊ぼうって」
めっちゃ食い下がって来てるじゃねぇかよ
和やかに談笑してるんじゃ無かったのかよ
「んで?」
「今から、ここの遊園地で
彼氏さんと遊ぶから無理ですって。
エライ?エライよね?私っ。
いつもみたいに怒らないで
ちゃんと、お断りしたのっ。
私、偉いでしょ?凄くない?」
見た目がふわふわ系で
ちっこくて可愛いから
こんな風にどこかに出かけてても
ゆりかはナンパ野郎に
声を掛けられてる事が多いが
断わり方もちゃんとするのが
いい女だって教えたら
それをキチンと律儀に守る様になって
ズイっとゆりかが
石黒の方へ自分の頭を向けて来るから
要するに頭を撫でて褒めろと
そう コイツは言っているのだろうが
「石黒さん、褒めてくれる?」
ふっとその言葉に
石黒が口元を緩めて
色々と言いたい事はあった様な
そんな気もしたが
よしよしとゆりかの頭を撫でると
「しゃーねぇな、褒めてやらぁ。
いい子いい子、ゆりか、賢い賢い」

