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夫婦で妊活旅行に行く話
第1章 うちもそろそろ……*
私の名前は…雨宮 ののか(26)
どこにでもいる主婦だ
大学時代から同級生の旦那さんとの
交際を始めて 交際してから4年ほどして
今年の2月に…結婚したんだけど…
結婚してから半年ほど経つけど…
最近もっぱら話題に上がって来るのは…
「それで…、奥さんは。
そろそろ…子供作る気分になってくれた?」
そうこちらに話を振って来たのは
私の旦那さんである
雨宮 透真だ
うちの家の家族計画については
結婚当初から…夫婦の意見がかみ合わなくて
旦那さんとしては結婚したら直ぐにでもと言う
そんな感じだったみたいなのだが
私はと言うと…折角の…蜜月…と言うか
今しかない新婚…を
もっと満喫したいなって思うタイプで
子供は結婚して1年とか過ぎてからでも…って
そんな風にのんびりと構えてたんだけど…さ
この頃…は旦那さんからの
子供作ろうアピールが…激化…して来つつあるし
あんまりダメって断り続けると…
「”今はまだ、2人だけで居たいから”って
ののかは俺に、言いたいんだろ?」
こっちが何も言ってないのに…
そう透真が言ってふぅっと…ため息を付いて
こっちが座って居る場所からは
夫婦にしては離れた場所にドカッと
わざとらしく音を立てて座ると
手に持っていたアイスコーヒーの入った
グラスを透真が傾けると
ごくごくと喉を鳴らしながら飲んでいて
まぁ…こっちとしてはまだ26だし…
30になるまでに1人目は…とは
思っては居るんだよ?
ううぅ――んとののかが唸り声を上げると
ソファの少し離れた場所に座っていた透真が
こっちの顔を不思議そうにしながら見ていて
「どうしたの?急に…唸り声なんて…出したりして」
「うん、分かった。決めた!」
ののかが何かを決意して
スクッ…とソファから立ち上がった
「決めたって何?急に…、俺、驚いたんだけど?」
「だから、決めたのッ」
「だからっ、何っ」
ビシッとののかが透真の前に立つと
人差し指を一本立てて
眉間に皺が寄ってしまっている
透真のその皺をグリグリと指で伸ばして来て
「待って…、待って。ストップ、ののかっ。
それ…地味に痛いっ…んだけど?」
「だ・か・らっ、うちもそろそろ…するって決めたのッ」
「するって?それこそ何すんの?」
「子作りに決まってるでしょ」