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ひだまりのねこ
第15章 エピローグ
暗い場所を探していたんだ。
何だかとても疲れていた。
暗い所で休みたかった。
僕はマルが使っていたハウスを見つけてそこに入って横になった。
優佳ちゃんが傍に来て心配そうに僕を見た。
その時優佳ちゃんに何か話そうとしたのだけれど声が出なかった。
何故、声が出なくなったのか分からなかった。
僕は段々と身体が苦しくなるのを感じていた。
何だか、胸がとても苦しくなって息が思うようにできなくなった。
息遣いが荒くなってゆく。
そんな僕を優佳ちゃんは頭を撫でてくれていた。
優佳ちゃんはご飯を食べるのも忘れて僕の傍にいてくれた。
ずーっと、僕の頭を撫でてくれていたんだ。
僕は嬉しかった。
僕は優佳ちゃんの事が大好きだ。
ずーっと、ずーっと昔から大好きだった。
僕の息は益々、荒くなっていった。
呼吸をするのが大変だったんだ。
優佳ちゃんが僕に話しかけてくる。
「クロちゃん、頑張ったね。いい子だったね」
僕はそれを聞くと嬉しくなった。
でも、声が出ないから返事が出来なかった。
僕は段々と優佳ちゃんの顔が見えにくくなってきたんだ。

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