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全部、夏のせい
第18章 エクスへ
そのまま、お祖母様やアダムと住んでいたパン屋さんや、
アラムと一緒に何度か行った小さなレストラン、
寮と小学校の辺りを歩いて、
ジャンの酒屋さんに行った。


お店はひっそりとしていたけれど、
ジャンは相変わらず奥の椅子に座って、
眼鏡を鼻にずらして本を読んでいた。


「ジャン?
お久し振り」と声を掛けると、
顔を上げて、嬉しそうな顔でゆっくり立ち上がって、

「おお!
マーサ!!
久し振りだね?」と言って、
抱き締めて両頬にキスをしてくれた。


以前より背が小さくなっているようだったけど、
雰囲気は変わらなかった。


「いつ、エクスに来たんだ?
そうか。
今日、来たばかりなんだな?
ほら。ここに座りなさい」と、
隣の椅子をポンポンすると、

「何か飲むかな?
ワインでも?」と言う。


「ごめんなさい。
今日はあまり体調が良くなくて…」と言うと、
心配そうな顔をして、
エビアンのボトルを渡してくれる。


「アダムは大きくなったのかな?
アリは?」と訊かれて、
今はアメリカの大学に行っていてなかなか会えないけど、
元気ですよと言う。


「アラムにも再会出来て、良かったね」と言われて、
そうだった。
まだ、亡くなったことを伝えてなかったということに気付いて、
新型のウィルスで亡くなったと言うと、
とても辛そうな顔をして、
私を強く抱き締めてくれた。


「三年経ちましたので、
少し、落ち着きました」と笑うと、

「そうか」と頷いていた。
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