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全部、夏のせい
第13章 再会

「そうこうしているうちに、彼女は出産した。
それから程なく、
彼女の夫が亡くなった。
HIVだった。
それから、暫くすると、彼女もみるみる具合が悪くなって、
多分同じ病気。
ここだと、治療も出来ないから、
見守るしかない。
アリは今のところ、元気だけど、
キャリアかもしれない。
検査も出来ないから、正確には判らない。
僕は、助けて貰った恩があるから、
彼女の世話をして、
アリを育てることをしようと思った。
彼女は病気が感染るのを気にして、
アリとは距離を置いてきていて、
いつもアリは淋しそうだった。
アリは、物心がつく前に父親を亡くしたから、
僕のことをパパと呼んでるけど、
別にそれはそれで構わないと思ってる」
アラムの優しさに、涙が出てしまう。
「だからさ。
彼女とは男女の関係もないし、
挨拶のキスとかも、してないからね?
本当だよ?」と言うアラムに、
自分からキスをした。
「一緒に帰りましょう!
小さいアリも、彼女も。
私ね。
診療所を作ってるの。
そこで治療出来なかったら、
もっとちゃんとした処に連れて行けば良いし」と言うと、
アラムは笑いながら、
「マーサは、相変わらず、
強いな?」と言って、髪と背中を撫でて、
額にキスをした。
「彼女にもしものことがあったら、
私達でアリを育てましょうね?」と言って頷き合う。
もう、2人とも泣いていなかった。
それから程なく、
彼女の夫が亡くなった。
HIVだった。
それから、暫くすると、彼女もみるみる具合が悪くなって、
多分同じ病気。
ここだと、治療も出来ないから、
見守るしかない。
アリは今のところ、元気だけど、
キャリアかもしれない。
検査も出来ないから、正確には判らない。
僕は、助けて貰った恩があるから、
彼女の世話をして、
アリを育てることをしようと思った。
彼女は病気が感染るのを気にして、
アリとは距離を置いてきていて、
いつもアリは淋しそうだった。
アリは、物心がつく前に父親を亡くしたから、
僕のことをパパと呼んでるけど、
別にそれはそれで構わないと思ってる」
アラムの優しさに、涙が出てしまう。
「だからさ。
彼女とは男女の関係もないし、
挨拶のキスとかも、してないからね?
本当だよ?」と言うアラムに、
自分からキスをした。
「一緒に帰りましょう!
小さいアリも、彼女も。
私ね。
診療所を作ってるの。
そこで治療出来なかったら、
もっとちゃんとした処に連れて行けば良いし」と言うと、
アラムは笑いながら、
「マーサは、相変わらず、
強いな?」と言って、髪と背中を撫でて、
額にキスをした。
「彼女にもしものことがあったら、
私達でアリを育てましょうね?」と言って頷き合う。
もう、2人とも泣いていなかった。

