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全部、夏のせい
第7章 初めての夜とその後〜エクス、マルセイユ、パリ
毎週のように覗きに来ていたエルメスのマダムも、
名残惜しそうにハグしてくれた。

お願いしていた、両親や祖父母へのお土産を選んでいると、

「そうそう!
地味な色のケリーなら入荷したのよ?
内縫いで28センチの紺色のもので…」と言われる。


私か正直に、
「用意していたお金、使ってしまったから、
今回は購入出来なくなってしまったの。
折角、取り寄せてくださったのに、ごめんなさい」と頭を下げた。


そしたら、アラムが、

「だったら、結婚祝いにプレゼントさせて?」と言い出す。


「アラム?
ダメよ。そんな…。
こんな素敵なリングを、プレゼントして貰ったんだから!」と言うと、
「それなら、ずっと持てるでしょう?
子供の学校の付き添いとかさ…」と、
訳の分からないことを言って、
マダムはマダムで、

「だったら持ち手にツイリー巻きましょうね?
マーサなら、若いから、
この色が良いわ?
歳を取ったら、また、それだけ変えれば良いから!」と言って、
明るい柔らかい暖色系の色合いのツイリーを巻いてくれた。


「じゃあ、ホテルに届けてください」とアラムが言って、
二人、立ち上がると、

「また、遊びに来てね?」と、両頬にキスをされた。


カルティエはその日はお休みで、ご挨拶は出来なかったけど、
うっかり開いていたら、
また、アラムが何かを買いそうだったから、帰って良かったと思った。

大学の寮の辺りまで足を伸ばして、ジャンにも挨拶をする。
ロザリーは昨日のうちに郊外の婚家に戻ってしまっていたのが残念だった。


そして、最後に教会に行って、
神父様にお別れのご挨拶をした。


「困ったことがあったら、
いつでもいらっしゃい。
ドアは常に開いているよ。
神様のご加護と祝福を!」と言ってくださった。



ホテルに戻って、
届いたスーツケースに、荷物を詰めて行く。

溜息をつくと、

「どうしたの?」とアラムが呑気な声で尋ねる。


「こんなに高価なバッグをプレゼントだなんて…」と言うと、
アラムは困った顔で、

「マーサ、怒ったの?」と言うから、

「大切にずっと使いますね?」と笑うとようやくホッとした顔をして、
今度は自分の大きいスーツケースを開けて、
少し大きいオレンジ色の箱を出して、

「あのね。
これもマーサにって…」と、
決まり悪そうな顔で言った。
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