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欲しいんでしょ
第7章 ただ、
あたしが大分落ち着いてきたころ、
オレンジがかった空に卓の優しそうな表情が浮かんでいた。
「落ち着いたか?」
あたしはこくんと頷く。
それを見て卓は優しく笑った。
…と思うと急にいつもの明るい笑顔に
なり、あたしの手を引っ張って行く。
「ふぇ?」
ついすっとんきょうな声を出してしまうあたし。
卓は自販機の前に行きコーラとオレンジジュースを買った。
「ほら、今日は俺の奢りだからな。」
そう言ってオレンジジュースを手渡される。
カコッと軽快な音を出してあたしはプルタブを開けた。
オレンジの香り。
一口だけ口に含む。まるで甘さが広がる様に、あたしの心も明るさを取り戻していくようだった。
にぱ。
卓に笑ってみせた。
「お前はジュースで気分晴れるのかよ。」
苦笑する卓。
「卓、ありがとね!」
心の声とシンクロして言葉が出てくる。
きっと卓は笑っているんだろう。
また逆光で見えなかったけれど。

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