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生きること、思うこと
第246章 許す
私は、両親から望まれて、望まれて生まれてきた子供でした。
姉が両親の元に戻って来たのは小学校に上がる前の頃だった様に記憶しています。
それまで、姉は祖母の家で辛い思いをしながら過ごしていたのだと思います。
そんな過去があったからでしょうか。
姉は両親に対して怒り、憎しみ、怨んでいる様なのです。
このことだけが理由だとは思いません。
私の知らないところで、姉は沢山辛い思いをしてきたのかも知れないのです。
でも、思うのです。
何年も何十年も両親に怒り、憎しみ、怨みの気持ちを持っていて辛くないのだろうか。
そう、私は思っているのです。
確かに、父はアルコール依存症でアルコールが入ると家族にDVをしていました。
母は母でそんな父に異常なまでに依存していたのです。
しかし、そんな父も食道がんになり、55歳の若さでこの世を去りました。
父はアルコールが入っていない時はとても子煩悩で優しかったのです。
そして、母も子宮頸がんになり65歳の若さでこの世を去りました。
母はとても働き者で真面目な人だったのです。
そんな両親が相次いで亡くなった時、私は両親の事を許しました。
父がDVだったことも、母の父に対する異常なまでの依存も全て許したのです。
そうしたら、とても気持ちが軽くなりラクになりました。
私は思うのです。
両親に対して許す事が出来ず怒り、憎しみ、怨んでいるであろう姉が一番辛いのではないか。
そう、感じるのです。
人間の怒りには「毒素」が含まれているとある本で読んだことがあります。
こんな実験をした人がいました。

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