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僕たちの大切な人
第3章 愛の手
放課後になってかず君と一緒にいるのになかなか元気は戻ってこない。
「杏?具合悪い?」
「悪くにゃい……」
かず君の呼び方を一馬君からかず君って呼んだり
手繋いだり…嬉しいはずなのになぁ…
いつも放課後のデートはかず君がうちに来てくれるのが定番だった。
うちに来ればお夕飯も一緒に食べられるし、長くいられるので私がいつもうちに連れて行く。
「本当にどうしたの?元気ないよ?いつもみたいに抱き付いてこないし…」
「……ぎゅーってして?」
「うん?」
私はいつものようにかず君の膝の上に乗るとかず君はギューッとしてくれた。
そもそも!この時にちゅーしないのが駄目なんだ!
「…かず君?」
「ん?」
「ちゅーしよぉ?」
「……うん」
なんだぁ!最初からこう言えば良かったんだ…
すると、かず君は私の頬にキスをした。
「んー!何でホッペなのぉ!」
「……唇は無理だよ」
「何で!?かず君とキスしたいのにー!」
「………じゃあ、一回だけな?」
「うん!」
かず君は私の手を握るとキスをしてくれた。
軽く押し当ててすぐに離れる。
初めてのキスで嬉しいけどすぐ終わっちゃう…

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