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第2章 陵辱

「何も知らないのはお嬢ちゃんだけだね？……あんたは沢口組組長、沢口基明 (さわむらもとあき) の落しダネだ。山根公平の娘じゃないんだよ」


宮川は笑いながら話すと、みるみる表情の変わる和穏を面白がって言い終わると声高々に笑った。


お父さんの……子じゃない？


「っそ、そんな事無い！！私は、私のお父さんは……お父さんだもん」


和穏は動揺するもののそう叫べば、宗高が口角をあげて望みを立つ様に突きつける。


「だが、それは事実だ。和穏、あんたの父親は沢口だ。母親は沢口の愛人で、その子供があんたなんだよ！」


「っ違う、そんなの嘘だ！！」


和穏は受け入れたく無くて首を振った。

17年、父親だと疑わなかった男と血のつながりが無かったとは思いたく無かったのだ。


ちゃんとお父さんだったもん！！

優しかったし、怒る時は怒ったし、お母さんが怒った時は庇ってくれてたもん！！