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第19章 卒業しても、好きでした

肌と肌が触れ合うたびに、言葉にならない熱が身体を巡った。

「……澪、抱いてもいい？」

彼の低く掠れた声が、耳の奥に落ちる。

私は、ためらいなくうなずいた。

身体を重ねた瞬間、痛みも不安もなかった。

それよりも、満たされた安心感に包まれて、涙が出そうになる。

彼の動きは優しく、でも確かに私を求めていた。

名前を呼ばれるたびに、自分が“女”であることを実感する。

「好きだよ、澪」

囁かれたその言葉に、心も身体もすべてが融けた。

ただ一夜の過ちだとしても、私はこの時間を忘れない。

あの教室では叶わなかった恋が、いま確かにここにある――そう思えた。