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坊ちゃまと執事 〜或いはキャンディボンボンの日々〜
第1章 かくも愛しき田園の一日
「…⁉︎な、なんだよ、これは…!」
朝食のテーブルに運ばれてきたトマトと白アスパラガスのサラダの皿を見たアルフレッドは目を吊り上げる。
後ろに控えるオスカーは涼しい顔で答えた。
「…坊っちゃまが勝手にメニューの変更をなさった罰です」
アルフレッドはじろりとオスカーを振り返り睨む。
「だからって!僕が大嫌いなものばかり!」
「…そうやって好き嫌いが多いと、今日の定期健診でまたアーレンベルグ先生からお薬を増やされますよ…?」
「やめろ!縁起でもないことを言うな!」
アルフレッドは癇癪を起こしてテーブルを拳で叩く。

ぷんぷん怒ると頬が薔薇色に染まるアルフレッドは14歳とは思えない可愛らしさだ。
オスカーはついつい苦笑を漏らし、背後から囁いた。
「…召し上がったら、ご褒美を差し上げますよ…」
アルフレッドはどきどきしながら上目遣いでオスカーを見つめる。
「…それって…もしかして…オスカー…」
オスカーの眼鏡の奥の碧の瞳が甘く細められる。
「…はい。アルフレッド坊っちゃまが大好きな…」
「うんうん!」
アルフレッドは身を乗り出す。
オスカーの形の良い薄い珊瑚色の唇が目の前だ。
…心臓が苦しいのは病気じゃない。
それは分かっている。
…多分これは…。
オスカーは優雅に白手袋の手を差し伸べた。
「…クレームブリュレをご用意しましたよ」
「…へ?」
見ると、お仕着せを着た下僕が恭しく、銀の盆に載せられたクレームブリュレの皿を運んで来た。
「オルソンさん特製のクレームブリュレです。坊っちゃまの大好物でしょう?」
オスカーは澄まして優雅なお辞儀をして見せた。
アルフレッドはがっかりしながら、大嫌いなトマトをフォークで刺す。
…なんだよ、オスカーめ!

…でも…
アルフレッドは浴室でのオスカーを思い出す。
アルフレッドがキスをしたら、オスカーは頬を僅かに赤らめていた。
アルフレッドはくすりと笑う。
…素直じゃないんだから…

トマトを口に入れ、窓辺に佇むオスカーを見る。
朝陽の中にオスカーの美貌がきらきらと輝いている。
窓の外に眼をやっていたオスカーがアルフレッドの視線を感じたのかこちらを見る。
そして、トマトを頬張るアルフレッドに優しい兄のような笑みを浮かべた。
アルフレッドはウィンクしてみせた。
…大好きな大好きな…僕のオスカー…

…カントリーハウスの1日は始まったばかりである。
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