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コンプレックス
第3章 幼馴染みとの再会
咄嗟に誰だったかは思い出せない。
しかしその名前には聞き覚えがあった。
星良がゆっくりと顔をあげると、
眼の前の席に座っているN大生と眼が合った。
スッキリと整えられた髪に銀ぶちの眼鏡。
いかにもエリートといった印象だ。
星良は眼の前の学生と眼が合うとすぐに眼を伏せた。
どうやら知り合いではなさそうだ。
そもそもさっき自己紹介したのが、この学生なのかもわからない。
「ほら、次、星良の番だよ」
里奈が肩を叩いてきた。
「ん? ……番?」
「自己紹介」
「あ、ああ、はいはい自己紹介ね」
気づかないうちに星良が自己紹介をする番になっていた。
「え……、と、あー、と……八木星良……です」
人見知りの星良にとって、
初対面のひとに自己紹介することほど苦痛なことはない。
自分の名前を言うだけで精いっぱいだった。
星良のあまりの緊張っぷりに皆が笑った。
「笑わないでよ」
「ごめんごめん!」
静かに怒りをあらわにする星良に、里奈は笑いながら謝る。
しかしその名前には聞き覚えがあった。
星良がゆっくりと顔をあげると、
眼の前の席に座っているN大生と眼が合った。
スッキリと整えられた髪に銀ぶちの眼鏡。
いかにもエリートといった印象だ。
星良は眼の前の学生と眼が合うとすぐに眼を伏せた。
どうやら知り合いではなさそうだ。
そもそもさっき自己紹介したのが、この学生なのかもわからない。
「ほら、次、星良の番だよ」
里奈が肩を叩いてきた。
「ん? ……番?」
「自己紹介」
「あ、ああ、はいはい自己紹介ね」
気づかないうちに星良が自己紹介をする番になっていた。
「え……、と、あー、と……八木星良……です」
人見知りの星良にとって、
初対面のひとに自己紹介することほど苦痛なことはない。
自分の名前を言うだけで精いっぱいだった。
星良のあまりの緊張っぷりに皆が笑った。
「笑わないでよ」
「ごめんごめん!」
静かに怒りをあらわにする星良に、里奈は笑いながら謝る。