この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
コンプレックス
第2章 合コン
「わたしが?」
「お願い! 裕子がまたドタキャンなの!」
大学近くの駅に着くなり、
待ち合わせしていた高校時代からの親友の里奈が泣きついてきた。
「そんないきなり言われても……」
「今日の合コンは、絶対に失敗できないのよ。だって相手はN大の学生よ!」
N大は全国でも有名な大学で卒業生の多くは官僚や政治家だ。
そこの学生とお近づきになれれば、将来いい生活ができるかもしれない。
里奈は少しでも将来有望な彼氏を探して、
毎週のように合コンをセッティングしている。
そのおかげで男女ともにかなり顔が広い。
男性経験も豊富で星良とは正反対の生活をしているが、なぜか馬が合った。
「わたしがそういうの苦手なの知ってるでしょ?」
「知ってる。でもN大と合コンなんて、滅多にないチャンスなのよ!」
「それはわかるけど、やっぱり合コンなんて、無理よ」
「……そっか。でもまだ時間はあるし、ゆっくり考えてみてよ。
ほかに誰かいないか探してみるし。またお昼に会おう」
「わかった」
「あ! 由佳だ! 由佳!」
星良に軽く手を振って里奈は改札口で見つけた友人のもとに走っていった。
サラサラのロングヘアーにガーリーなファッション、
愛嬌たっぷりの笑顔はいかにも男受けがよさそうだ。
ボーイッシュで愛想を振りまくのが苦手は自分とは大違い。
星良は小さくため息をついて、大学へ歩き出した。
「お願い! 裕子がまたドタキャンなの!」
大学近くの駅に着くなり、
待ち合わせしていた高校時代からの親友の里奈が泣きついてきた。
「そんないきなり言われても……」
「今日の合コンは、絶対に失敗できないのよ。だって相手はN大の学生よ!」
N大は全国でも有名な大学で卒業生の多くは官僚や政治家だ。
そこの学生とお近づきになれれば、将来いい生活ができるかもしれない。
里奈は少しでも将来有望な彼氏を探して、
毎週のように合コンをセッティングしている。
そのおかげで男女ともにかなり顔が広い。
男性経験も豊富で星良とは正反対の生活をしているが、なぜか馬が合った。
「わたしがそういうの苦手なの知ってるでしょ?」
「知ってる。でもN大と合コンなんて、滅多にないチャンスなのよ!」
「それはわかるけど、やっぱり合コンなんて、無理よ」
「……そっか。でもまだ時間はあるし、ゆっくり考えてみてよ。
ほかに誰かいないか探してみるし。またお昼に会おう」
「わかった」
「あ! 由佳だ! 由佳!」
星良に軽く手を振って里奈は改札口で見つけた友人のもとに走っていった。
サラサラのロングヘアーにガーリーなファッション、
愛嬌たっぷりの笑顔はいかにも男受けがよさそうだ。
ボーイッシュで愛想を振りまくのが苦手は自分とは大違い。
星良は小さくため息をついて、大学へ歩き出した。