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特別棟の獣
第26章 最愛の人は特別棟の獣
「なんでも?」
「うん。1個だけだよ?」
「前言撤回なし?」
「………うん」
「結婚式終わるまで禁欲」
「…………マジか」
分かりやすく落ち込む吏生を見て私は少し満足。
「百合、結婚式はまだ2週間先だよ?」
「うん」
「2週間もシないの…?」
「うん」
「今日はいい?」
「駄目」
「……………ごめん、今日は1回だけでいいから」
「駄目」
「百合……」
「なんでも言うこと聞くって言ったの吏生だよ」
「そうだけど」
「前言撤回もなしって言った」
「…………」
最後には黙り込む吏生。
前にもこんなことあった気がする。
きっとこれから先もこの獣を扱えるのは私だけ。

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