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レスさんとシンママちゃん【完結】
第8章 レスさんとトイレ

その日の夜、
ひさしぶりにアキさんと夜のドライブになりました
あれだけしょっちゅう通ってるのに、そうそうふたりで出掛けるチャンスは巡ってきません
アキさんのほうから「あっち行ってみる?」と言ってくれました
行ったら行ったで、海の方の道は風が強くて、街の方より寒かった
いつものパーキングに車を停めて、しばし談笑
前のお出掛けは良かったね、とか言う話しをしてました
するとアキさんが
「ヤバい!ホットコーヒーにしたら良かった!
冷えてきちゃった!」
「え?暖房いれようか?」
「違うの、トイレに行きたくなったの!」
なんだ、そっちか
「じゃあ、コンビニまで戻りましょうか」
ボクがシフトレバーに手を掛けると
「このあたりにトイレ付きのパーキング無かった!かなぁ?」
どうやらコンビニのほうまで保たないようです
「パーキングの看板にトイレマークがあるかもしれません、コンビニのほうに戻りながらトイレ付きのパーキングを探しましょう」
「ごめん、せっかく来たのに」
「それはいいけど、ガマン出来ます?」
ボクは車を発進させました
海風がゴウゴウ言って、とても強そうです
断崖絶壁の道の大きなカーブのたびに、景色を眺めるためのビューポイントがあるんだけど、トイレは無さそうです
数カ所のパーキングを過ぎて、ようやくトイレマーク付きのパーキングエリアを見つけました
急いで停めましたが、そのような建物が見当たりません
車を降りて見ると、岬の部分の端っこに下に降りる階段を見つけました
崩れかかった板の看板があります
どうやらこの崖の下にあるみたい
確かにこんな狭い岬の先端にトイレを作るには狭すぎます
ボクは車に戻って待っていたアキさんに声をかけます
「あるにはあったけど、大変そうですよ?」
「選んでられないわ」
アキさんは車から降りてきました
ボクはそのまま助手席のダッシュボードを開けて、ライトを取り出しました

