この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第13章 けじめの時

どういう、こと…!?
柚子は混乱してその光景を眺めていた。
《彼を許すことはできない》
これは紗織さんが言っていたことだ。
紗織さんは自身の処女を奪った彼を恨んでいた。
彼の告白を拒否し、会うことを止めたはず…。
でも──
匠の背にまわされた腕が彼を強く抱きしめる。
同時、ポケットから引き抜かれた匠の腕が紗織の背にまわされた。
「……!!」
柚子はわけもわからぬままに道端で抱き合う二人を見ていた。
匠の肩にすがった紗織の頭。
僅かに顔が上がり
その目が
固まったままこちらを眺める柚子を捉えた。
「──…」
「…ッ…!!」
紗織の燃えるような瞳に
柚子は自分が何か悪い事をしているような心持ちになる。
「あ…!!」
堪らなくなった柚子はその場から逃げるように走り去った。

